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川上 大介's STORY
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失敗を原点に、
れんこんに人生を懸けた挑戦
株式会社カワカミ蓮根の現在の成長は、
決して順風満帆に始まったものではありません。
もともとは「株式会社カワカミ」という社名で、
熊本市西区の本社周辺を中心に、れんこんの作付面積を広げることを目指していました。
しかし、当時は地域の理解を得ることが難しく、れんこん栽培を広げたいという思いがありながらも、なかなか農地を確保することができませんでした。
れんこんは水を張る作物です。
そのため、地域の方々からは「水浸しになるのではないか」「周辺に影響が出るのではないか」という不安もあり、思うように規模拡大が進みませんでした。
それでも私には、れんこんをもっと広げたいという強い思いがありました。

種子島への挑戦と大きな失敗
2013年、私が31歳頃のことです。
熊本での農地拡大に限界を感じる中、玉名のレタス法人である北部農園の会長から声をかけられ、鹿児島県の種子島・南種子町での農業展開に挑戦することになりました。
南種子町はロケット発射基地がある地域で、温暖な気候を活かせば、通常ハウスで行うようなれんこん栽培を、ハウスなしでも展開できるのではないかと考えました。
さらに、レタスとれんこんを組み合わせた輪作体系をつくり、2社で協力しながら新しい農業モデルを作ろうという構想でした。
しかし、現実は厳しいものでした。
現地では毎日のように強い風が吹き、風速10メートル近い環境の中で、設備や計画は思うように進みませんでした。
結果として、約2,000万円もの損失を出すことになりました。
当時は社長自身も給料を取れないほど厳しい状況でした。
挑戦は失敗に終わり、私は熊本へ戻ることになります。
しかし、この失敗こそが、今のカワカミ蓮根の大きな原点になりました。
「れんこんだけで1億円をやりたい」
種子島から戻った後、会社ではレタスとれんこんの両方を扱っていました。
しかし、ある時、社員たちから私に対して大きな声が上がります。
「私たちは、れんこんをやりたくてこの会社に来ました」
「レタスではなく、れんこんだけで1億円を目指せませんか」
この言葉が、会社の方向性を大きく変えるきっかけになりました。
私自身も、会社の原点はやはりれんこんにあると考えました。
そこで、レタスとの複合経営ではなく、れんこんに集中する決断をします。
これは単なる品目の選択ではありませんでした。
会社として、何で勝負するのか。
何を捨て、何に集中するのか。
その覚悟の決断でした。

玉 名での再挑戦
れんこんだけで1億円を目指すため、私は玉名地域で農地を探し始めました。
以前、熊本市周辺では何度も断られてきた経験があったため、今回も難しいだろうという思いはありました。
しかし、玉名の農家の方々に相談したところ、半分ほどの方が「やってもいいよ」と受け入れてくれました。
そこから玉名でのれんこん栽培が始まります。
そして翌年、会社は本当にれんこんだけで売上1億円を達成しました。
この瞬間が、株式会社カワカミ蓮根としての本格的な成長の第一歩でした。

社名変更への覚悟
れんこんだけで勝負する。
その決意を明確にするため、会社名も「株式会社カワカミ」から「株式会社カワカミ蓮根」へと変更しました。
これは、単なる社名変更ではありません。
「自分たちはれんこん屋である」
「れんこん以外では勝負しない」
という、社内外への宣言でした。
この選択と集中が、その後の成長につながっていきます。
毎年1億円ずつ積み上げた成長
玉名での再挑戦以降、会社の売上は一気に伸び始めます。
1億円から2.5億円へ。
そこから3.4億円、3.7億円、4.2億円、4.7億円へ。
毎年のように売上を積み上げ、2026年時点で8億円規模の会社へと成長しました。
この成長は、単なる作付面積の拡大だけではありません。
農地を探す力。
地域と信頼関係を作る力。
社員と共に現場を作る力。
そして、失敗から学び続ける力。
その積み重ねによって、カワカミ蓮根は成長してきました。

種 子島の失敗が、広島展開の成功につながった
現在の広島事業も、突然うまくいったわけではありません。
背景には、かつての種子島での失敗があります。
熊本と鹿児島という遠隔地での農業展開に挑戦し、失敗した経験。
その時に、何が足りなかったのか。
どうすれば遠隔地でも農業経営を成立させられるのか。
私はその失敗をずっと考え続けてきました。
そして、2024年問題によって関東方面への物流リードタイムが課題となる中、広島県から企業誘致の話が来ました。
その時、私は単なる農地拡大ではなく、広島を「20ha・2億円規模の拠点モデル」として考えました。
つまり、広島はカワカミ蓮根にとって、単なる2拠点目ではありません。
種子島での失敗を乗り越え、遠隔地農業を成功させるための再挑戦でした。

広島事業は3期目へ
広島事業は、初年度(2024年)8haから始まりました。
そして現在(2026年)、3期目で14.5haまで拡大。
確保済みの農地は16.8ha程度まで進んでおり、3〜5年以内には20ha規模に到達する見込みです。
売上も着実に伸びています。
広島単体では、前年約5,000万円だった売上が、今期は約1億1,800万円まで成長しました。
今後は20ha体制に向けて、2億円規模の拠点としての確立を目指しています。
かつて失敗した遠隔地展開。
その経験を活かし、今度は広島で成功モデルを作りつつあります。

私の歩みは、挑戦と失敗、そして再起の連続です。
熊本で農地が広がらなかった時代。
種子島で2,000万円の損失を出した経験。
給料も取れないほど苦しかった時期。
社員からの「れんこんだけで勝負したい」という声。
玉名での再挑戦。
耕作放棄地の再生。
そして広島での遠隔地展開。
すべてが、今のカワカミ蓮根につながっています。
カワカミ蓮根の成長は、単なる農業法人の規模拡大ではありません。
失敗を学びに変え、地域の農地を再生し、社員と共にれんこんに集中してきた結果です。
そして今、広島事業を通じて、カワカミ蓮根は次のステージへ進もうとしています。
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